2015年10月の投稿
無理を重ねて燃え尽きないで頂きたい!
中途採用で入った会社の環境に慣れる、人によるかも知れませんが中々難しいですね。
特に「規模の大きな会社から、その会社よりも規模のかなり小さな会社へ」、「異業種へ」という転職をされた方は苦戦している姿をよく見ます。
「規模の大きな会社から、その会社よりも規模のかなり小さな会社」に転職された方は、休暇・残業・評価制度等色々なことが整備されていないことにも驚くと思いますが、一番驚かれるのは仕事の区分や、その仕事における責任区分が不明瞭であること、ではないでしょうか。
要するに「自分の仕事は何処までなのか、自分の決済権は何処までなのか」がわからないまま、実務に突入する、そして問題が発生する、というケースが非常に多く見られるのです。
わからないまま仕事をするとこんなことが起きます。
ミスをしてはいけないと思い、都度上司に「○○を行っても良いでしょうか?」と尋ねると「そんな当たり前のことを聞かないで貰いたい」と言われたりします。
逆に前職では許容されていた事を、「どうして俺の許可を取らないんだ?」と叱られたりすることもあります。途方に暮れてしまいますね、これでは。
更にその上司が悪い奴だと「大きな会社から来て経験もスキルもあると思ったのですが、一々つまらないことを聞いてくるし、がっかりしましたよ」と経営者に愚痴ったりするわけです。
経営者も「そうか、即戦力だと思ったんだけどなあ。まあ、しっかりと鍛えてやってくれよ」と簡単に返したりする、一度そのようなレッテルが貼られると評価を上げるのは容易ではありません。
しかし、これは仕方がない状況(本当は、仕方なくはないのですが・・・)だとも言えます。会社内に仕事の区分や責任区分を明示した文書が無い訳ですから。
先の例の悪い上司だって、恐らく経営者から「お前にここまでの権限を与えた覚えはない!」と叱られた経験が一度や二度は必ずあるはずです。
今、私のところに経営者から持ち込まれる相談で多いのが、「仕事区分と責任区分の明確化」に関する内容です。これを経営者と相談し、文書化する仕事が1年に1回は必ずあります。
この文書が出来ると入社した方に示して「貴方の仕事はとりあえずここまでです。様子を見て、更にここまでやって頂きたいので頑張って下さい」と言える訳です。
しかし、このような文書が無い会社に就職された場合は、前職で当たり前だったことも含め、不明な部分、曖昧な部分をハッキリさせ、納得してから仕事に入って下さい。
最初は「面倒くさい奴だな」と思われるかも知れませんが、最初にハッキリさせることが重要です。そこで、ハッキリした答えが出なかったり、明らかにおかしな答えが出された時は、その仕事場で働かない方がよいでしょう。
「異業種」から転職された方にも同じ事が言えます。
特に「異業種」の場合は勤務時間・休暇等でギャップを感じることがあるでしょう。
例えば「不動産」・「住宅メーカー」から建設工事会社に転職をされた方は基本的に「土曜日は勤務していることが多い」と思います。
しかし、「メーカー」・「金融」等完全週休2日制の会社から建設工事会社に転職された方は「土曜日が休めない」、更に現場に配属された方は「工期遵守の為に日曜日、祭日も出勤しなければならない」、「代休も取れない」ことに驚き、多大なストレスを感じることは間違いありません。
私の御客様のところでも同じようなケースが見られます。
6月に「メーカー」から転職してきた方がいて、私が研修を行いました。その方は建設現場で管理の仕事がしたくて転職してきたのですが、先日久々にお会いした時に非常に疲れていたので驚きました。
私が「○○さん、お疲れじゃないですか?」と尋ねると、「はい、実は2週間休めていないのです。9月は雨が多く、工事が進まなかったので、シルバーウイークは休工せず、作業員を動員したのです。それもあって全然休めないことに。」とのこと。
「上司は貴方が休んでいないのを知っていますか」と再び尋ねると、「はい。それは知っていますが、その方も休まずに頑張っているので、休みたいと言えなくて」と言う答えが返ってきました。更に私が「続けられますか?」と聞くと、「今のところは大丈夫ですが、ずーと今のような状態が続くのであれば考え直したいと思います」と、真剣な表情で話してくれました。
このようなケースは恐らく何処の会社でも見られる現象だと思います。
人不足が起因することかも知れませんが、私は一番の問題は「上司や管理職が部下の就労状況を把握し、適時適切な対応が取れていない」ことにあると考えます。
上司や管理職はその環境にドップリと浸かり、慣れている為、「仕事が最優先。休みが無いのも当たり前。それを解ってこの業界に入ったんじゃないの?」位に異業種から来た転職者を考えていたりするわけです。
そこで「環境に慣れていない転職者」を「この仕事に向いていない人間」というレッテルを簡単に貼ってしまい、結果早々に退職者を出してしまう、というパターンですね。
私はこれが小規模な企業、比較的不人気な企業に人が集まらない要因の一つ、だと考えています。
是非、この場で転職されたばかりの方々に言いたいのは「【変な】我慢をしすぎない」ということです。
「変な我慢」とは「こんな事を聞いたら会社から面倒な奴だと思われるのでは無いか」、「疲れすぎて体調が悪いのだが、今休むと「体力の無い奴」だと思われてしまうのではないか」、「子供の大切な行事があって休暇が取りたいのだが、「誰がその仕事を代わるんだよ」と言われそうで怖い」といった類いの我慢です。
こんな我慢は一時的にはしのげても、何度もしのぐ事は出来ません。
働きにくい会社にちょっとだけ在籍して、また転職する、それを履歴書の職歴に書くと「貴方、転職が多いね(こいつは腰を据えて仕事に取り組む奴ではないな)」と経営者や採用担当者に思われてしまうかも知れません。これは損ですよ。
繰り返しますが、変な我慢をしないで下さい。そして上司が聞く耳を持たなければ経営者に直接今抱えている問題点を伝えて下さい。
経営者は「使える」と思った人間が1年位で退職してしまい、また新規採用と研修から始めなければならないのが、一番イタイのです。
それなりの経営者で、貴方の能力や勤務姿勢に大きな問題が無ければ「○○さんは仕事になれていないのだから、無理をさせず、休ませてやってくれよ。必ず戦力になる人だから」と貴方の指示を出すはずです。
貴方の申し出を無視して「イヤなら辞めてもいいんだぞ」と言う経営者、「表面上は聞いたふりをしながら実際には何ら対策を講じてくれない」経営者の下では絶対に働いてはなりません。
貴方の大切な時間が無駄になります。




