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4月入社の新人たちが心配だ

2016年10月5日
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すっかり秋らしくなった今になってやっと「書かねば」と思い立った。

これまで書くことが無かった訳ではない。

寧ろいつも頭に「このテーマで」、「この内容で」、というイメージを作ってあった。

しかし、今年の夏は長男とクワガタやカブトムシを捕獲することに夢中で、頭の大半は「何処に行けば捕れるか」が占めていた、という状況がそれを邪魔をしていた。
そう、ブログよりもクワガタやカブトムシを優先していたのである。

秋になり、捕獲してきた彼らも一部は卵から幼虫へと変化を遂げているが(これは喜ばしいことである)、その親達は殆どがお亡くなりになった。
9月に入り、親達が日々お亡くなりになるのを見ながら、
「新入社員達はお亡くなりになっていないだろうか、いや元気に勤務しているだろうか」と考えた。
私は複数の会社のお手伝いをしているが、新人教育に携わっている会社は目下1社だけであるが、その1社で9月半ばに今年四月の新卒社員が退職することになった。正社員になってわずか2ヶ月のことである。

私は前職で新卒社員の教育を行ってきたので、このタイミングでの退職について驚きは無い。
今回のケースで驚くべきはこの新入社員が退職の相談を真っ先に採用担当者にしていること、直属の上司や部門長(既に配属は決まっていた)には一言も相談をしていないこと、更には同期入社の仲間にも一切相談はしていない、ということである。

私は毎週1回だが、4月から彼を教育したがこの仕事を続けようか、迷っている感じは受けなかった。
寧ろ研修では理解不足の同期のフォローをするような立場にいたし、理解度も高かった。
将来的に戦力として期待できると思っていただけに、残念だったし、これは彼と退職前に話さねば、と思った。

退職の本当の理由を聞こうとは思わないが、新入社員に教育訓練を施す上での問題点を把握したかった為である。
こちらが色々と質問をすると、彼は聞きたいことを話してくれた。その中で特に印象に残ったのは
「①自分がこれから先、どのようなステップを踏んでいくのか、明確でなかったし、上司に聞いても答えら

 れそうもなかった」

「②上司から課題や業務指示が特に無い日が数多くあった。こちらが『今日は何をしたらよいですか』と

 聞くと『特に何もないんだよな』という答えが返ってくることが多く、こんな研修期間でよいのだろうか、

 と不安になった」

という答えである。この答えはある程度予想していたものであった。
①について上司はとかく「早く一人前になれよ」という声を掛けるが、では一人前の定義とは何か・・・。
それぞれの会社で異なると思うが、まず「一人前」の定義を説明し、そこまでの到達時間を明示しなければ、声を掛けられた側は 困ってしまうだけではないか?更に、「一人前」になる為の手段を明示しなければ片手落ちであろう。

②について部門長は「新入社員の教育訓練は配属後は直属の上司に任せている」という説明だったが、これも大きな間違いである。
直属の上司も教育の新人なのに、任せてどうする!と言いたいし、部門長には貴方の教育方針は何なの?と、

問いたい。
新人教育の経験が無い人間にカリキュラムやルールも明示せず、任せてしまったらよい結果が出ることはまず、無いと言っていい。

結局、新入社員が退職すると
「今の若い人間は我慢が足りない」、「せめて3年間は働かないと自分のこの仕事が向いているかわからないはずなのに」
という意見が必ず出て、とかく退職した人間を批判しがちだが、これは間違っている。
「我慢が出来なくなった」から退職したのであり、「3年間どころかこれ以上この会社にいても時間の無駄だ」と思ったから退職したのである。
繰り返すが、「人材育成のビジョンやマイルストーンが無い」、

「指導力のある、目標に出来るような上司がいない」から退職したので

ある。

会社はそして教育担当者は退職した人間を批判する前に自らの過ちを正さなければ同じ失敗を繰り返すだろう。

そこで、来年4月に新卒を迎え入れる会社の方々に是非、言いたい。
小規模零細企業の新人教育は経営者が中心になるべきである。
小規模零細企業に現状の仕事をしながら、適切な教育訓練を出来る管理職やスタッフはいない、と思ってよい。
ならば、そのような社員に任せずに経営者自身が教育に携わって、常に新人の様子を把握出来るようにした方がよい。
そして自身の理想的な社員像を明確に伝えればよいだろう。

来年の4月迄まだ時間はある。これから人材育成のビジョンとマイルストーンを考えて貰いたい。そして入社日にはそれを新入社員に伝えるとよい。

今年新入社員を受け入れ、退職で悩んでいる経営者の方、今こそ経営者自身が新入社員教育に携わる機会である。まだ遅くはない。

そして経営者から新入社員の教育訓練を委ねられた部門長の方、貴方自身が積極的に教育訓練に取り組まなければならない。
電話・LINE・メール、と教育訓練の手段はいくらでもある。
小規模零細企業の部門長程度で部下の教育訓練を任せていいはずがない。

新入社員を受け入れるにあたり、まず変わるべきは経営者・部門長、つまり会社側である。