2017年2月の投稿
「自分で」確認することの重要性
表題に「自分で確認することの重要性」と書きながら、まず最初に自分で確認したのは昨年10月からブログを更新していないこと。
更新しなければ・・・、と思いながらも「絶対にこれはブログに書こう!」と思う出来事がなければ、書く気持ちが起きない、のもまた事実。
しかし、昨年11月以降から今日まで沢山書きたいことがあり、何から書こうか、考えた挙句、一番記憶に新しいものから取り上げることにした。
別に年々記憶力が低下しているという訳ではなく(気付かないだけで実は低下しているかも知れないが・・・)一番記憶に新しい事象が、一番書きたい内容だったからである。
私が中小規模企業の経営のお手伝いをしている関係上、避けて通れないのが「要員の配備」である。
売上や事業規模が拡大すれば当然人は必要、という単純な話ではないが、如何に外部役員(私のことですよ)が効率化を図る提案をしても、自ずと限界はある。
わずかな人が増えただけでも、それに伴い販売管理費が増え、経営状況をひっ迫する、というのが小規模企業であるから、どうしても「要員の配備」には慎重になる。
但し、「要員を配備」しないと特定のスタッフにどうしても負荷が掛かり、エラーが増えたり、その重要なスタッフが辞めてしまう、という最も避けるべき事態も起きてしまう。
しかし、経営者が「よし、人を入れよう」と思ってもこれは簡単なことではない。知名度が超低い小規模企業にとって新規採用の苦戦は確実で、更に建設系のような人気が無い業種の場合、より困難が伴う。
直ぐに要員を配備したい会社としては「即戦力・経験者」が望むところだが、多額の報酬を提示して同業他社から引き抜かない限り、これは難しい。仮に引き抜くことが出来た場合でも、多額の報酬を支払うことで現在働いているスタッフとの報酬バランスが崩れることもある。更に最も恐ろしいのは「コノヒト本当に即戦力?」という場合である。
そこで、次に考えるのは「新卒を採用して育てていこう」である。「新卒」には「大卒」、「専門学校卒」、「高卒」の三つがあるが、何故か小規模企業ほど「ウチは高卒だな」と考える傾向にある。
経営者自身が高卒だったり、社員の多くが高卒であることに加え、「大卒はウチには来ない」という先入観があるようだ。
そのような会社に関わっている私としては「高卒」採用の為の知恵を絞らなければならないのだが、直ぐに「高卒」採用の難しさに直面してしまった。
まず、「高卒」採用に関する情報が非常に少ない。私は新卒採用を専門としているわけではないが、大卒者の採用に何年も関わっていた為、ある程度のノウハウはある。
その他いわゆる「売り手市場なのか、買い手市場なのか」についてもそれなりに情報を入手できる。
わずかだが、大学生の知人もいるから実際に彼らから就職活動についての話も聞くことが出来るし、実際に聞いて情報を得ている。
多くのメディアや媒体にも「大卒」の採用に関する情報は溢れているし、学生を企業側に引き合わせるという役割も企業も数多く存在する。
しかし、「高卒」採用は全く異なる。
まず、窓口は「学校」と「ハローワーク」の二つだけ、採用活動開始日等も明確に定められており、例外はない。学校に問い合わせれば必ず「ハローワークに登録をして下さい」というハンを押した回答が返ってくる。
わずかな情報と定められたルールの中での採用活動なのだが、実際に「高卒」を採用できる会社、出来ない会社が存在する。
どうしたら「高卒」を採用できるのか・・・。誰に聞いたらよいのか、何を見たらよいのか、どうやって調べたらよいのか、私は手詰まりになってしまった。
しかし、幸運というのは恐らく誰にでも与えられるもので、私にも幸運が巡ってきたのである。
私は家の近くのスポーツジムに通っている。週に2回程度水泳をする為だが、ほぼ同じ曜日の同じ時間帯に行く為に、そこで泳いでいる方々もほぼ同じ顔触れである。
そこに私と同じマンションに住まれている方がいて、以前から会話を交わす間柄だった。
その日も泳ぎ終わって採暖室にその方と二人になり、お互いの仕事の話をしていたら、素晴らしことにその方は高校の先生で、しかも進路指導課の担当だったのである。
私は悩みを打ち明け、お話を聞かせて下さい、とお願いしたところ、その方は快く引き受けてくれた。
ハダカの付き合い(もちろん水着は着用している)万歳である。
早速私は自身の立場と聞きたいこと、今考えている採用プランを携え、学校を訪問させて頂いた。
そして、そこで聞いた話は訪問しなければ得られない情報ばかりだった。沢山書きたいことはあるが、「高卒」採用の為に必要な情報なのでクライアントにだけ提供したいと思う。
一つ披露させて頂くと私はとんでもない勘違いをしていた。
私は「高卒で働く人も、本当は大学に行きたいのではないか?」と考えていた。私hあ別に大学に行くことが絶対に必要だと思っている訳ではないが、自身が大学に通っていた為にそのような考え方 しか出来なかったのである。
そこで採用プランとして「昼間は会社で働き、夜は会社の支援(学費負担等)を受けて大学の二部に通わせる」という内容も用意していたのだが、先生からこのように言われた。
「ウチの学校の場合、高校を出て働きたい、という意思を持つ生徒は中学3年生の時にウチの学校の就職情報を調べ、その上で入学してきます。
そして3年間勉強を頑張り、良い成績をとって、自分が望む企業に就職することを目標にしているんです。経済的な理由によるところが大きいのかも知れませんが、その子達にとって、希望する会社に 就職することは、希望する大学に入学することと同じ位置づけなのです。家計を助けたいと考えている子の場合、大学入試のように失敗して浪人という選択肢はありません。だから希望の会社に入る為に、高校1年生から日々勉強を頑張るのです。」
この話を聞いて私は自分の情報の乏しさを思い知らされ、更に非常に少ない情報と、自らの思い込みだけで採用プランを立てていたか、認識させられた。恥ずべきことである。
私はクレームが起きた会社がお客様から干されそうになるとき、必ずその経営者に「必ず社長自身がお客様に直接お会いして事情を聴いて下さい。従業員の報告を鵜呑みしてはいけません」と伝える。これは私自身の経験にもよるものだが、従業員の報告は自らの問題をカムフラージュしている場合が多い。
如何に真面目な従業員であっても「自分に非が無い」という思い込みがあれば、経営者への報告は「お客様側に非がある」内容になってしまうものである。
従業員を信じるがあまり、お客様との関係が悪化し、それが経営に大きな打撃を与えた時にその従業員に対して「君の報告を信じたばかりに、このような結果になってしまった」とは言えない。報告したのは従業員だが、信用したのは経営者だから。
私は自分がアドバイスをする立場であるにも関わらず、実際はアドバイスをされる立場になっていたことを知った。
今回、高校を訪問し、色々な話を聞けたことは大きな収穫があった。
もちろん、「高卒」採用のプランを構築出来る情報が収集出来たこともある。
それよりも大きな収穫は「自分の目で見て、話を聞いて、正確な情報を把握すること」の重要性を再認識出来たことである。
順調な時は「自分は正しい判断・行動をしている。だから結果が出ている」と思い込み、慢心してしまう人は少なくないはずだ。
私も恐らくそうである。
インターネットで簡単に多くの情報を集めることが出来る現在において「自分自身の足と目と耳で情報を収集する」ことは確かに相応の労力を要する。
しかし、その労力を惜しんではならない。労力を掛けてしか得られない「確かな情報」がお客様や自分の会社の行く末を左右することがある為だ。
私も起業してから2月末で丸5年が経過し、6年目に入る。
今回高校を訪問し、進路指導課の先生に話を聞けたことは、節目の年の期末を迎えるにあたり、自分の仕事の進め方を自戒することが出来た。
進路指導課の先生は私の進路も指導してくれたのだ。感謝である。




